診療科紹介

当院は、京都府総合周産期母子医療センターや地域がん診療連携拠点病院としての役割を担っており、周産期や婦人科腫瘍、婦人科疾患全般において高度な医療を提供する体制を整えています。

当科は、女性の一生涯のライフステージに沿った診療を行います。いつでも気軽にご相談ください。

周産期

当院での分娩を希望するすべての方を受け入れます。

1997年11月10日に総合周産期母子医療センターを開設して以来、京都府周産期医療の中心としての役割を果たしています。地域の医療機関と連携を密にとりながら、ハイリスク妊娠に対して高度な医療を、正常妊娠に対しても安全かつ満足のいく医療を提供しています。通常の妊婦健診だけでなく、臨床遺伝専門医による出生前診断外来も開設しております。

婦人科腫瘍

2007年に当院は地域がん診療連携拠点病院の認可を受けており、婦人科悪性疾患に対して、手術・化学療法・放射線治療を駆使した集学的治療を行っています。

婦人科疾患全般

夜間休日の救急対応も含めて、子宮や卵巣の良性疾患・感染症・女性ヘルスケア全般の疾患などに対応します。各疾患に対して、一人一人のライフスタイルに沿いつつ、機能温存や低侵襲に十分配慮した治療法を選択しています。手術療法に関しては腹腔鏡手術(経腟的手術も含む)、ロボット手術など低侵襲手術を積極的に導入し治療後のQOLに配慮しています。

*産婦人科内で毎日症例カンファレンスを行うと同時に、必要に応じて他科ともカンファレンスを実施し、意見を集約したうえで、各症例に対する診療方針を決定するようにしています。手術時には、外科や泌尿器科、麻酔科と連携を密にしております。

外来診療は、新患と再診・特殊専門外来、妊婦健診2診と、計4診制をとっています。診療待ち時間は出来る限り短縮するよう取り組んでいるところです。入院期間の短縮、分かりやすい治療・看護を目指し、積極的にクリニカルパスを導入しています。医師と看護師、助産師の連携により、安心・安全、かつ十分に納得できる治療を目指しております。

担当する疾患

  • 婦人科悪性疾患
    • 子宮頸がん
    • 子宮体がん
    • 卵巣がん
  • 婦人科良性疾患
    • 子宮筋腫
    • 卵巣良性腫瘍
  • 感染症
    • クラミジア
    • 淋菌
    • 単純ヘルペス
    • 梅毒
  • 骨盤臓器脱
    • 子宮脱
    • 膀胱脱
    • 直腸脱

検査・治療法の詳しい説明

子宮頸がん

子宮の入り口部分(頸部)に生じるがんで、若年の方に発症することが多いと知られています。初期の段階では、症状はありません。進行した段階では、性器出血や腹痛などの症状がみられます。前がん病変(がんになる前の状態)や早期のがんの場合には手術療法、局所進行したがんの場合には放射線治療、遠隔転移を伴うがんの場合は化学療法を行います。

手術療法

(1)円錐切除術(適応:高度の前がん病変〜初期のがん)

子宮の入り口付近のみを円錐状に部分的に切除する手術です。子宮の機能を温存して治療を行うため、妊娠や出産を希望される患者さんに行います。

(2)子宮摘出術

子宮全体を切除する手術です。微小ながんの場合は単純子宮全摘術(子宮と周辺臓器を摘出)、進行したがんの場合は広汎子宮全摘術(子宮と周辺臓器だけでなく、腟やリンパ節を幅広く切除)を行います。

放射線療法

遠隔転移を伴わない局所進行がんでは、手術療法を行わずに、放射線治療を行うこともあります。これは放射線治療と手術療法との間に、生存率や再発率に明らかな差がないとされているためです。また、手術を希望される場合でも、高齢の方や他の病気を合併しているため、手術が難しい患者さんに選択される場合があります。

化学療法

遠隔転移を伴うがんでは、化学療法による治療が行われます。がんを縮小させることで、症状の軽減やQOL(生活の質)の向上ができ、痛みの緩和や延命にも結びつく可能性があります。

子宮体がん

子宮の奥にある袋状の部分(体部)に生じるがんです。子宮腔(子宮内の部屋)の中の膜となる子宮内膜から生じるため、「子宮内膜がん」とも呼ばれています。若い人に発生することは少なく、閉経前後の方に生じることが多いです。日本での患者数が10年間で倍増していますが、早期に発見されることが多く、婦人科悪性疾患の中では予後が良いとされています。自覚症状のほとんどは不正性器出血(生理ではない時期や閉経後に出血がある)です。初回治療としては手術を行うことが原則ですが、手術や子宮の完全切除が不可能な場合には、患者さんの状態に応じて放射線治療や化学療法を行います。

手術療法

子宮摘出術

子宮体がんでは、進行期に関わらず、手術療法が原則です。初期のがんでは単純子宮全摘術(子宮と周辺臓器を摘出)、進行したがんの場合は広汎子宮全摘術(子宮と周辺臓器だけでなく、腟やリンパ節を幅広く切除)を行います。また、腹腔鏡手術が選択される場合もあります。

放射線治療、化学療法

他の病気を持っているため、手術や子宮の完全切除が不可能な場合には、患者さんの状態に応じて、放射線治療や化学療法を行います。また、手術後の再発予防に行う場合もあります。がんが進行した状態では、根治することが難しく、延命や症状の軽減が目的となります。

卵巣がん

卵巣には多種多様な腫瘍が発生します。ほとんどが良性腫瘍ですが、一部が悪性腫瘍(卵巣がん)と診断され、さらに良性と悪性の中間に位置する境界悪性腫瘍があります。卵巣がんの自覚症状として、お腹が張った、最近太ったという訴えがありますが、自覚症状が乏しく気付かないことも多いです。そのため「サイレントキラー(無言の殺人者)」と呼ばれることもあり、卵巣がんと診断された時点で60%以上の方が進行した状態で発見されます。治療は手術療法や化学療法を組み合わせて行います。

手術療法

卵巣は骨盤の深くにある臓器のため、がんの正確な診断や進行期を判断するのが難しく、手術前でも悪性腫瘍と確定できないことがあり、実際に手術で観察して、摘出した腫瘍を検査することで初めて明らかになります。手術中に方針を決定することも多く、がんの進行を正確に判断するため、両側の卵巣、卵管、子宮、大網、リンパ節など広く切除します。また、1回の手術で十分に摘出することが困難と判断した場合には、診断するための手術にとどめ、確実な診断結果が出てから、追加の二期的手術を行うこともあります。

化学療法

化学療法は手術後の再発予防や卵巣がんを小さくするために行います。近年、卵巣がんの治療薬が新たに開発されており、患者さんのがんの種類や遺伝子の状態に基づいた治療を選択することができます。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮の筋層を構成する平滑筋に生じる良性腫瘍のことです。30歳以上の女性の30%以上に画像検査で描出されると言われています。筋腫があっても、半数の女性では明らかな自覚症状はないため、検診など何かのきっかけで偶然見つかることも多いです。主な症状は、過多月経、月経困難症、下腹部の腫瘤感や圧迫症状(尿失禁や便秘)などです。子宮筋腫の治療の選択肢には以下のものがあります。

対症療法

鎮痛剤、鉄剤、止血剤、漢方薬、子宮内黄体ホルモン放出システムなど

ホルモン療法

薬物療法により閉経状態にさせる偽閉経療法といわれるものです。周閉経期の女性への「逃げ込み療法」や手術までの時間稼ぎとして、行われます。

手術療法

患者さんの筋腫の種類や状況により様々な手術法があります。低侵襲性のメリットがある腹腔鏡手術や開腹手術を行います。

(1)子宮筋腫核出術

妊娠を希望する女性や子宮温存を希望される女性に対し、妊孕性温存のため、子宮筋腫のみを摘出する手術です。子宮は温存されますが、将来的に筋腫が再発する可能性があり、再発率は15から30%とされています。

(2)子宮全摘術

妊孕性温存を希望しない場合に選択されます。子宮を筋腫ごと全て摘出する手術です。根治療法のため、再発の可能性はありません。

(3)子宮鏡下筋腫摘出術

子宮鏡(子宮内に挿入する小さいカメラ)を用いて、子宮内腔にある筋腫を摘出する術式です。

(4)子宮動脈塞栓術

子宮につながる血管である子宮動脈の血流を遮断することで、筋腫を縮小させる手術です。再発率や妊孕性に影響があるとされています。

vNOTES(Vaginal Natural Orifice Transluminal Endoscopic Surger)経腟的腹腔鏡手術)

お腹に傷をつけずに、腟から操作をする腹腔鏡手術です。最大のメリットは、お腹に傷をつけることなく手術するため、手術のダメージ(患者さんの痛みや負担)を大きく軽減し、早期の社会復帰が可能となります。全ての患者さんに適応されるわけではありませんが、当院では積極的に取り入れております。希望される方は一度、担当医までご相談ください。

卵巣良性腫瘍

卵巣に発生する良性腫瘍のことで、発生率は女性の全生涯において約5〜7%とされています。無症状のことも多く、腫瘍が増大してくると下腹部痛や圧迫感が生じます。また、卵巣腫瘍が捻じれることで急激な腹痛がみられる危険性も増えます。治療法は原則として、手術療法となります。近年では低侵襲性のメリットがある腹腔鏡手術の実施が増加しています。手術には、卵巣腫瘍摘出術、付属器摘出術、卵巣摘出術などの方法が患者さんの年齢、腫瘍の大きさ、周囲臓器との影響を考慮して選択します。

感染症(クラミジア、淋菌、単純ヘルペス、梅毒)

感染する病気の総称を感染症といいますが、性行為によって感染する病気の総称を性感染症と呼びます。帯下異常(おりものの匂いや色の変化)、腹痛、咽頭痛、原因不明の発熱などの症状がみられることもありますが、自覚症状が現れない疾患も多いです。思いがけないところで治療のきっかけになることもあるため、性感染症について、気になることや思い当たることがあるときは、ご相談ください。

骨盤臓器脱

子宮や膀胱、直腸などの骨盤内臓器が脱出や下垂する状態を骨盤臓器脱といいます。排尿困難や不快感を生じるため、生活の質(QOL)を著しく損なうものです。骨盤臓器脱の治療は、患者さんの症状や生活環境に応じて、治療を選択します。手術を希望されない場合や他に病気があるため手術が困難な場合は、骨盤底筋体操の指導やペッサリー(腟内装具)治療を行います。手術を希望される場合は、患者さんの状況に応じた手術法を選択します。

手術療法

(1)腟式子宮全摘

子宮脱が主な症状の方に適しています。腟から子宮を摘出し、腟の断端を靱帯組織に固定する手術です。

(2)腟式メッシュ手術

膀胱瘤が主な症状の方に適しています。腟式の手術で、手術時間が短く、侵襲や再発リスクが低いとされています。

(3)ロボット支援下仙骨腟固定術

経験豊富な医師がロボットを操作して手術をします。子宮は腟上部切断(子宮頸部は温存し、子宮体部のみ摘出)を行いますが、症例に応じて子宮全摘する場合もあります。ロボット手術は細やかな作業に向いており、繊細な手術が可能です。

(4)腟閉鎖

高齢者や他の病気のある方など手術リスクの高い場合に適しています。状況に応じて子宮を摘出する場合としない場合があります。膣からの手術で侵襲や再発リスクも低いとされていますが、高度な骨盤臓器脱の場合に手術適応となります。

実績

診療実績
2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
総分娩数 617 617 669 674 643 549 486 468
帝王切開術 188 228 184 212 194 162 161 176
帝王切開率(%) 30 37 28 31 30 30 33 38
双胎 36 38 32 26 52 41 58 43
品胎 1 2 2 1 1 0 3 0
主な手術症例 症例数
2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
進行子宮頸癌手術 開腹 7 7 4 11 10 6 8 7
子宮体癌手術 開腹 18 35 30 29 37 30 24 24
卵巣癌手術 22 23 23 25 17 37 25 20
円錐切除術 101 93 72 87 81 76 59 81
腹腔鏡手術 242 305 290 310 309 259 217 228
ロボット支援下子宮全摘術 11 40 22 28
子宮鏡手術 1 4 7 38 20 23 22 22
骨盤臓器脱手術 38 25 38 41 41 29 24 25

月経相談外来

月経にまつわるさまざま相談に女性医師が対応

内診が不安な方は診察時にお伝えください。内診はせずに他の方法(経腹超音波検査・MRI検査など)で診断を進めることも可能です。医学的に必要な場合は説明と同意のうえで内診を行います。

月経相談外来

「生理が順調にこない」「生理が長引く」「生理痛がひどくて学校や仕事に行くのがつらい」「ダイエットや激しいスポーツのせいで生理が止まってしまった」など、月経に関する心配事がありましたら一度ご相談ください。女性ホルモンの検査や超音波検査、必要に応じてMRI検査など行い原因の精査と治療を行います。

子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群などの疾患がみつかる場合もあり、ホルモン剤や漢方薬、必要な場合は手術など、総合的に対応します。

スポーツをしている方には、競技スケジュールに合わせた月経調整、月経痛の緩和、貧血の検査と治療、無月経に伴う骨粗鬆症の予防なども可能です。競技選手にはドーピング違反とならない薬を処方しますので個別にご相談下さい。

受診方法

初診の際はかかりつけ医から紹介状をもらって病診連携室を通して予約をお取り頂くか、通常の受付時間内に受付してください。紹介状をお持ちでない方は初診料とは別に選定療養費が自己負担となりますのであらかじめご了承ください。

医師紹介

  • 部長
  • 大久保 智治
  • 卒業年平成3年
  • 認定医・専門等資格名医学博士 京都府立医科大学大学院臨床教授・客員講師 日本産科婦人科学会産婦人科専門医 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医 日本周産期・新生児医学会周産期専門医(母体・胎児) 日本性感染症学会認定医 女性ヘルスケア専門医 がん治療認定医 母体保護法指定医師 日本女性医学学会評議員 日本生殖内分泌学会評議員 日本産科婦人科内視鏡学会社員 臨床研修指導医 日本産科婦人科学会指導医 女性ヘルスケア暫定指導医 日本周産期・新生児学会指導医 京都産婦人科医会理事 京都母性衛生学会理事 京都府周産期医療協議会委員

平成3年、京都府立医科大学卒。京都府立医科大学附属病院、市立福知山市民病院、社会保険京都病院、Beckman Research Institute of the City of Hope, CA, U.S.A.、京都府立医科大学助手、愛生会山科病院産婦人科部長、京都府立医科大学大学院女性生涯医科学講師を経て2012年7月より当院産婦人科部長に着任しました。京都府総合周産期母子医療センター、地域がん診療連携拠点病院としての役割を果たし、さらに前進していきたいと考えております。あいさつを欠かさない診療を心がけています。よろしくお願いします。

  • 副部長
  • 松本 真理子
  • 卒業年平成15年
  • 認定医・専門等資格名日本産科婦人科学会産婦人科専門医 日本周産期・新生児医学会周産期専門医(母体・胎児) 女性ヘルスケア専門医 日本産科婦人科学会指導医 臨床遺伝専門医 母体保護法指定医師

周産期を学びたくて、2014年4月より京都府総合周産期母子医療センターである第一日赤に赴任しました。
臨床遺伝専門医の知識をいかして出生前カウンセリング等に力をいれていきたいと思っています。

  • 医長
  • 明石 京子
  • 卒業年平成19年
  • 医長
  • 髙岡 宰
  • 卒業年平成21年
  • 認定医・専門等資格名医学博士 京都府立医科大学大学院 女性生涯医科学 特任助教 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医 日本生殖医学会 生殖医療専門医 日本内分泌学会 内分泌代謝科(産婦人科)専門医 日本周産期・新生児医学会 周産期専門医(母体・胎児) 母体保護法指定医師 臨床研修指導医 日本産科婦人科学会 産婦人科指導医

2022年4月より赴任いたしました。専門領域は生殖内分泌、不妊症です。4月より保険適応となった一般不妊治療を当院でも開始いたしました。また不妊症や月経困難症の原因となる子宮内膜症の新たな治療薬開発に向けて臨床研究を実施しております。なかなか妊娠しない方や月経痛がある方は是非一度ご相談ください。婦人科疾患で困っておられる患者さんには良い医療を、当院で出産される妊婦さんには安心安全な分娩を、スタッフと協力しながら提供していきます。

  • 医長
  • 青山 幸平
青山 幸平
  • 卒業年平成24年
  • 医師
  • 重信 有希
重信 有希
  • 卒業年平成28年
  • 医師
  • 北村 圭広
  • 卒業年平成29年
  • 医師
  • 吉田 尚平
  • 卒業年令和2年
  • 医師
  • 藤岡 悠介
  • 卒業年令和2年
  • 専攻医
  • 山添 万愛
  • 卒業年令和4年
  • 専攻医
  • 三木 春奈
  • 卒業年令和5年

診察担当医表

診察担当医表
婦人科新患(24診) 大久保 松本 明石 (ホルモン内分泌外来) 高岡 青山 (悪性腫瘍外来)
婦人科再診(22診) 藤岡 吉田 北村 大久保 重信
産科新患(21診) 重信 高岡 (不妊治療外来) 松本 青山 明石
産科再診(20診) 吉田/大久保 三木/北村 山添 山添 藤岡
診察担当医表
胎児スクリーニング(午後) 担当医 担当医
NIPT(午後) 担当医 担当医
母乳外来(午後) 助産師 助産師/助産師外来 助産師 助産師/助産師外来 助産師
産後2週間健診(午後) 助産師 助産師 助産師

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以下のフローチャートを参考にお調べください。

かかりつけ医をお持ちの方や当院宛ての紹介状のある方は紹介元医療機関やかかりつけ医より地域医療連携室での予約のお申し込みとなります。

注意事項

  • 診察予約はご希望の日にちの2日前までとなります。
  • 医師の指定は承っておりません。
  • 複数日の予約はできません。
  • 前日、または、当日のキャンセルの際は、必ずお電話にて当院へご連絡くださいますようお願いいたします。 TEL:075-533-1295(予約変更直通)
  • インターネット予約の枠がいっぱいであっても、一度お問い合わせ下さい。
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