診療科紹介

当病院では、救急救命センターICU6床と院内ICU8床を併設しており、専従の集中治療医学会専門医による診療を行っています。我々は、重症の患者さんに対して必要とされる高度な医療技術を駆使し、患者さんの命を守るために全力を尽くしています。

当院では、救命救急センターICU6床および院内ICU8床の合計14床で、救命救急センターに来られた重症な患者さんから、心臓血管手術などの高侵襲(体の負担が大きい)手術を受けた患者さん、病棟で状態が悪化した患者さんに対して診療を提供しています。常時2名以上の集中治療専門医が診療にあたります。

集中治療室に入室された患者さんに、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士他さまざまな医療スタッフが、医療チームとして一丸となって診療を行っております。特に集中治療で重視されるようになっている、早期リハビリテーションや早期の栄養療法、術後疼痛管理、せん妄に対するICU日記などを積極的に行い、早期に回復し一般病棟へ滞りなく移動していただけるよう努めております。

集中治療室内だけでなく一般病棟でも、人工呼吸器や呼吸を助けるための機器を使用されている患者さんの診療サポート(呼吸器ケアチーム)や、一般病棟で状態が悪化しつつある患者さんを早期に発見し介入して更なる悪化を予防する早期患者対応システム(Rapid Response System, RRS)などを通して、一般病棟にいらっしゃる重症な患者さんの診療サポートも行っており、一般病棟から集中治療室までのシームレスな診療を目指しております。

疾患が重篤なとき、人生の最終段階とも判断されるようなときには、患者さんやご家族と、治療方針やその後の見通しなどについて十分な話し合いと意思決定が必要になります。特に、患者さんの意識状態が不十分な場合には、ご家族による決定が求められることがあります。私たち医療チームは患者さんとご家族の意思決定の支援を充分に行うため、院内の医療メディエーターや倫理コンサルトチームとも協力して、医療チーム内で十分な話し合いを行い、患者さんとご家族のサポートに努め、ご希望に沿った医療を提供できるよう努めます。

担当する疾患

重症心不全、ショック、重症呼吸不全、腎不全、肝不全、心肺停止蘇生後、急性虚血性心疾患、脳卒中、けいれん重積、多発外傷、重症熱傷、敗血症性ショック、高侵襲手術術後(心臓手術、食道手術など)

検査・治療法の詳しい説明

集中治療室のみで行われる代表的な治療として以下のものがあります。

ECMO(エクモ)

そけいやくびにある太い血管にカテーテルを入れて、そこから血液を体の外にある器械に循環させます。器械で血液に酸素を取り込ませ、二酸化炭素を除去して再び体内に血液を送ります。重症心不全で自分の心臓では血液が送り出せず血圧が維持できないとき、重症呼吸不全で自分の肺では酸素を血液に取り込ませたり二酸化炭素を取り除いたりできない場合に使用します。

補助循環装置:大動脈内バルーンパンピング(IABP)、補助循環用ポンプカテーテル(Impella🄬)

重症心不全で自分の心臓では血液が十分に送り出せず、循環に必要な血圧を維持できないときに使用します。そけいの太い動脈から補助循環装置を挿入します。大動脈内バルーンパンピングでは下行大動脈で風船(バルーン)が心臓の拍出に合わせてしぼんだりふくらんだりすることで循環の補助を行います。補助循環用ポンプカテーテルでは、左心室内に留置して心室内の血液を吸引し、上行大動脈にある出口から送り出すことで循環の補助を行います。

人工呼吸器

口から気管にチューブをいれて人工呼吸器につなぎ、肺に圧をかけて呼吸の補助を行います。自分の肺で、血液の酸素の取り込みや二酸化炭素の除去が十分にできないときに行います。気管内チューブは不快に感じる場合が多いため、痛み止めや眠る薬剤を使用して苦痛をできるだけ取り除いて治療を行います。肺の回復に時間がかかり、長期間(目安として2週間程度)人工呼吸器の補助が必要となる場合は、「気管切開」という気管内に直接チューブを入れるいり口をのどに作る処置が必要になります。

体温管理療法

37度以上に体温があがりすぎないように管理を行い、高体温による脳へのダメージを軽減、予防する目的で行います。そけいの太い静脈から専用の器具を挿入して行う方法と、からだの表面に専用の水が還流するマットを貼って行う方法があります。心肺停止後の蘇生後脳症などで行います。

持続血液透析

腎機能が悪化して尿が出なくなり透析が必要となっている状態で、血圧が不安定などの影響により数時間で終了する間欠透析ができない場合に、24時間以上の時間をかける持続透析を行います。首かそけいの太い静脈に透析用カテーテルを留置し、そこから血液を器械に循環させて血液内の水分を取り除き電解質を調整して血管内に戻します。

ほか、非侵襲的換気(NIV)、間欠透析、血漿交換や、早期リハビリテーション、栄養療法などをふくめ、患者さんの状態に合わせて多岐にわたる治療を行っております。

実績

入室患者数
2018 2019 2020 2021 2022 2023
1106 1167 1020 956 943 947
入室経路(件)
2018 2019 2020 2021 2022 2023
一般病棟 659 703 643 570 554 545
救急外来 364 373 309 292 323 337
救急病棟 47 48 48 49 44 59
入室理由(件)
2018 2019 2020 2021 2022 2023
定期手術 527 592 534 449 433 435
緊急手術 123 156 140 154 147 136
定期PCI/IVR 28 16 18 8 7 4
緊急PCI/IVR 61 49 49 41 63 73
緊急脳梗塞治療 56 43 37 25 21 14
非手術後 311 311 243 279 271 285
ICU転帰(件)
2018 2019 2020 2021 2022 2023
一般病棟退室 769 823 753 676 650 670
救急病棟退室 232 236 210 195 215 198
死亡 49 55 31 37 43 45
転院 9 5 3 5 11 5
退院 9 2 3 1 2 3
入室中の処置(件)
2018 2019 2020 2021 2022 2023
体温管理療法 16 28 19 20 19 25
人工呼吸管理 346 356 355 401 351 349
NIV 58 74 27 23 22 40
HFNC 127 157 125 111 99 150
VA-ECMO 9 18 14 15 17 19
VV-ECMO 1 2 1 11 5 3
IABP/Impella 33 36 30 35 32 44
持続的腎代替療法 65 69 69 59 57 54
SLED/SLED-f 38 44 46 38 41 39
HD/HDF 100 62 72 82 83 74
血漿交換 8 5 9 1 6 16
血液吸着 6 7 5 6 3 5

医師紹介

  • 副部長
  • 山﨑 正記
  • 卒業年平成16年
  • 認定医・専門等資格名日本集中治療医学会認定 集中治療科専門医 日本専門医機構認定 麻酔科専門医 日本麻酔科学会認定 指導医

集中治療室に入室される患者さん、ご家族のみなさまは、これからどうなっていくのか、何が起こるのかなど、大きな不安を抱えていらっしゃると思います。みなさまのお気持ちに寄り添いながら治療を進められるよう、集中治療室スタッフと協力して診療にあたります。気になることやご心配があるときは、是非お声かけください。

  • 医長
  • 串本 洸輔
串本 洸輔
  • 卒業年平成27年
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