リハビリテーション科 部門の説明

理学療法

治療内容

脳卒中、骨折その他、様々な病気やけがなどで身体が不自由になった方に対し、座る・立つ・歩く等の基本的な動作の維持・改善を図ります。
手足に障害を持った方だけでなく、心機能低下・息切れなどにより身体を動かすことが出来なくなった方(集中治療室などの超急性期の呼吸障害も含む)に対しても、慎重なリスク管理の上、運動療法や再発・増悪予防を目的とした生活指導・自主練習指導を行っています。
廃用症候群のリスクが高いと判断した心疾患・がんなどの手術を受ける方に対しては術前から理学療法を開始しています。
NICU(新生児集中治療室)に入院中の発達リスクの高いお子さんへの介入もしています。
パーキンソン病による運動障害に対してはLSVT🄬による治療を取り入れています。

LSVT🄬とは

LSVTとはパーキンソン病患者さん向けの治療プログラムで、運動障害に対する「LSVT BIG」と言語(発話)障害に対する「LSVT LOUD」の2つがあります。

院外活動

京都府理学療法士会の事業運営に協力し、職能活動、府民への啓発活動などに携わっています。また、日本DMAT隊員や当院救護班に従事している理学療法士スタッフが在職しており、2016年の熊本地震や2018年の西日本豪雨、2024年の能登半島地震などでは災害直後から支援活動に参加しました。

学生指導・スタッフ教育

当院ではクリニカルクラークシップに基づいた臨床実習指導プログラムを作成し、臨床実習の受け入れを行っています。また、新人職員に対しては、日本理学療法士協会が作成した新人理学療法士職員研修ガイドラインに沿った新人教育プログラムを実施しています。

理学療法室備品

筋力評価機器:コンビットCB2(筋トレも可能)/ミュータス
装具:ゲイトイノベーション/各種プラスチック装具など
歩行補助具:各種歩行器/POPO(吊り下げ式歩行器)
電気治療複合機:インテレクトNEO
ベルト電極式骨格筋刺激装置:G-TES
機能的電気刺激装置:L300-GO
心臓リハビリテーションシステム:ストレングスエルゴ8など

ロボット

ロボットリハビリテーション TOYOTA ウェルウォークWW-1000

リハビリテーション医療では、さまざまな疾患や外傷などにより生じた機能障害を回復し、残存した障害を克服しながら患者さんの活動を育みます。当院は高度急性期病院であり、新たに生じた機能障害を回復させるために、各診療科の治療開始後すみやかにリハビリテーション治療を開始しています。

令和元年5月にリハビリテーション科ではTOYOTA自動車(株)のウェルウォークWW-1000を導入しました(写真1)。京都府下の高度急性期病院では京都府立医科大学附属病院に次いで設置されました。ウェルウォークは、運動学習理論に基づいたリハビリテーション練習支援ロボットであり、高い最先端技術を取り入れた急性期リハビリテーション治療の提供が可能となりました。
運動麻痺がある患者さんに対して、転倒防止のための支えを用いながら安全性を確保し、歩行練習が可能です。麻痺した下肢にロボット脚(写真2)を装着することで、歩く方向に下肢を振り出したり足の振出しなど、必要最小限のサポートをロボットが行うため、個々の患者さんの能力を引き出し、機能回復を促してくれます。結果としてロボットにより初期から繰り返し多数歩の歩行練習ができます。また麻痺の回復に応じてロボットの補助する量を調整することで、適切な難易度の歩行練習を繰り返し実施することができます。練習中はモニター画面や音声で自分の歩く様子を確認でき、また、転倒防止の支えもあるため、訓練の情報をわかりやすく提供することで、よりよいフォームでの歩行を目指せ、より効果的、かつ安全に歩行練習を実施できます。早期から自分の足で歩く練習ができるので、患者さんの意欲と自信につながります。

ウェルウォークの特徴

身体を支え、転倒防止を図れるハーネス
ロボット脚による適切最適な補助
低床トレッドミル上で多数歩による訓練
練習中にモニターで歩容を確認

ウェルウォーク全体
(写真1)
ウェルウォーク詳細
(写真2)

ロボットリハビリテーションチームからのメッセージ

新しい技術を用いて、効率のよいリハビリテーションで歩ける患者さんを増やし、より短期間で歩けるようになることを目指します。

私たち医師・療法士は患者さんの歩くよろこびをサポートします。

医師・療法士は患者さんの歩くよろこびをサポートします。

作業療法

当院での作業療法は、脳卒中や骨折などを中心に、様々な病気やけがにより生活に支障を来たしている方々に対して、身体機能の維持・改善を図っています。救急病棟から一般病棟において、起き上がる・立つなどの基本的な動作から、食事・排泄・更衣・入浴などのADL(Activities of Daily Living:日常生活活動)を円滑に行えるように援助・練習を行います。
患者さん本人が生活しやすいように手助けをする道具である、自助具や装具などの作製や紹介なども行っています。特に上肢(腕から指)の骨折や切断などのけがをされた方には早期から必要な装具やスプリントを作製し、機能回復や日常生活および職業復帰を促すハンドセラピィを実施しています。
四肢に麻痺がある場合には、IVESという電気治療機器を用いた治療を行うこともあります。

言語聴覚療法(嚥下訓練含む)

脳血管疾患、神経疾患等により生じた、高次脳機能障害・言語障害(失語症や構音・音声障害)などコミュニーケーション障害のある患者さんに対して、一人ひとりに適した評価を実施し問題点に合った訓練・指導を行います。
パーキンソン病により声量が低下したことを認めている患者さんには、LSVT🄬による教育入院も行っています。
摂食嚥下障害がある患者さんには嚥下内視鏡・嚥下造影による評価を行い、嚥下訓練を実施しています。その方に合った適切な姿勢・食事形態を選定することにより、早期に経口摂取開始に努めています。
直接嚥下訓練時にはジェントルスティム(干渉電流型低周波治療器)を併用した訓練も行っています。

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