当科は京都府南部のリウマチ・膠原病疾患の基幹診療施設として様々な状況の患者さんの診療を行って参りますので、いつでも当院地域医療連携課(直通tel:075-533-1280)にご相談ください。
関節リウマチ(Rheumatoid arthritis: RA)は自己免疫の異常を背景としてTNFα、IL-6などの炎症性サイトカインなどが中心となって関節滑膜に炎症を引き起こすとともに、破骨細胞の活性化などで全身の関節破壊をきたす疾患です。また、炎症の影響を受ける臓器は関節だけにとどまらず眼、消化管、呼吸器、心血管系、腎臓、皮膚、骨など全身に及ぶことから、RAは全身疾患と考えられています。近年、RA診療は、治療薬の増加、関節超音波検査などの画像診断技術の進歩、診療ガイドラインの策定などにより、治療は大きく変化し、治療成績も年々向上しています。
一方、RA診療の進歩とともに、求められる臓器合併症対策や薬剤の副作用対策は年々増えています。また、治療成績が向上しているとはいえ、今もなお、様々な治療に抵抗性のRA患者さん(Difficult-to-treat rheumatoid arthritis; D2T RA)も未だに多くおられます。
このような患者さんに対して、当科では複数在籍している日本リウマチ学会専門医師が当院の整形外科、皮膚科、腎臓内科、呼吸器内科、リハビリテーション科、産婦人科、眼科など複数の科の医師と連携を取りながら日々診療に取り組んでおります。
RA以外のリウマチ・膠原病疾患は、以前から行っているステロイド大量療法や様々な薬剤を使用した免疫抑制療法・血液浄化療法に加えて、新たに登場した免疫抑制剤や抗体製剤を積極的に取り入れ、京都府だけでなく滋賀県、奈良県北部からも重症例の紹介を受け入れ、RAと同様、院内の複数の診療科と連携し診療にあたっております。
リウマチ・膠原病疾患患者さんでも、薬剤調整をして病勢のコントロールができていれば、妊娠・出産は可能です。挙児希望があり薬剤選択の難しい患者さんやハイリスク妊娠が予想される患者さんに関しても当院周産期母子医療センターとの院内連携により、妊娠・分娩管理のできる診療体制を作っています
現在、開催予定の研修会・勉強会はございません。
日時 | 扱ったテーマ | |
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第1回 | 9月20日 | 関節リウマチ治療 ~生物学的製剤・JAK阻害薬以外の抗リウマチ薬について〜 |
第2回 | 10月18日 | 関節リウマチ治療において気をつけておくべき感染症について 〜傾向と対策〜 |
第3回 | 11月15日 | リウマチ・膠原病領域で知っておくべきワクチンの種類とその適応 |
第4回 | 12月20日 | 超音波検査で拡げるリウマチ・膠原病診療 |
第5回 | 1月17日 | 日常診療におけるリウマチ・膠原病を疑う症状・検査所見とは |
第6回 | 2月21日 | シェーグレン症候群 |
第7回 | 3月28日 | 全身性エリテマトーデス |
2022年12月時点で、関節リウマチを含む膠原病またはその類縁疾患の当科(一部総合内科外来)通院患者数は1920名(当院リウマチ・膠原病データベース2022)で、そのうち関節リウマチが999名、そのほかの膠原病が999名が通院されており、複数の日本リウマチ学会専門医と専攻医が診療にあたっています。
病名 | 2015 | 2018 | 2021 | 2022 |
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関節リウマチ | 957 | 1,064 | 1,136 | 999 |
全身性エリテマトーデス | 92 | 122 | 133 | 138 |
強皮症 | 110 | 153 | 163 | 163 |
リウマチ性多発筋痛/RS3PE | 62 | 72 | 92 | 78 |
シェーグレン症候群 | 82 | 114 | 163 | 170 |
血管炎症候群(ANCA関連) | 60(31) | 97(60) | 114(75) | 116(74) |
脊椎関節症(乾癬性関節炎) | 28 | 33 | 72(26) | 58(23) |
多発筋炎/皮膚筋炎 | 29 | 46 | 60 | 63 |
混合性結合織病 | 21 | 26 | 19 | 21 |
ベーチェット病 | 16 | 20 | 30 | 26 |
成人発症スチル病 | 12 | 10 | 15 | 16 |
その他(IgG4関連疾患) | 56(14) | 62(27) | 51(32) | 74(31) |
計 | 1,525 | 1,819 | 2,048 | 1,920 |
DAS28は関節リウマチの疾患活動性を表す総合的な指標です
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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一診(予約) | 中林 | 中林 | 和田 | ||
二診(予約/新患) | 礒田 | 和田 | 北出 | 礒田 | 北出 |
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当科では複数の日本リウマチ学会専門医とリウマチ内科専攻医が中心となり、院内の複数の科と連携しながらリウマチ・膠原病疾患の診療にあたっています。原因のわからない発熱や倦怠感、関節痛、皮疹などリウマチ・膠原病の疑った段階でのご紹介も積極的にお受けしています。リウマチ・膠原病疾患以外の病態であっても、他科と連携し診断・治療につなげられるようにしています。
リウマチ・膠原病疾患は、”わかりにくい”、”怖い”という印象を持たれることが少なくありませんが、理解していただけるようわかりやすく説明し、不安を少しでも少なく治療を受けていただけるよう努めて参ります。