診療科紹介

地域支援病院の内科として地域の開業されている先生方からの紹介患者さんを診察・治療することを重視しています。

糖尿病

糖尿病に関して、当科は診断のための糖負荷試験目的から、早期・軽症例、合併症の進行した症例・救急対応まであらゆる患者さんに対応できる体制をとっています。75gOGTTを依頼いただく際はその旨事前にご連絡いただいた上、朝絶食で来院いただければ当日に結果説明まで行います。
糖尿病診療において正しい知識の習得は不可欠です。当科では、入院を前提とした1クール1週間の教育入院コースを年間20回程度設け、糖尿病治療のニーズに応じています。実際に適切なカロリーの食事を体験いただくとともに、薬剤・合併症などについてじっくりと理解していただくことが重要であると考えるからです。また、入院において短期間の強化インスリン療法により糖毒性解除を促進し、退院までに経口血糖降下薬に変更することを積極的に勧め、良好な成績を得ています。退院後は紹介元の医療機関にお戻りいただきますが、入院を経験した方のその後の通院施設別の長期成績で、当科で専門医が定期的に経過を確認することで3年間に渡って良好なコントロールが得られた実績から、退院後も年1回当科へも通院いただくことを提案しています。
更に、腎臓内科、透析センター、眼科、脳卒中センター、循環器内科、心臓血管外科、皮膚科、周産期母子医療センター、救急救命センターなどと緊密に連携して学際的アプローチによる合併症や妊娠に関連した糖尿病の管理、糖尿病の救急治療を行うとともに、周術期や化学療法、ステロイド治療患者さんに対する血糖管理に積極的に関わり、効果をあげています。インスリン抵抗性、分泌不全の程度や合併症の評価、インスリン導入、栄養相談などは外来でも行っています。また、FreeStyleリブレPro、Dexcom G7 CGMシステムを用いた持続グルコース測定目的でのご紹介もお受けしています。従来は点でしか見えなかった血糖値を線で、しかも10~14日にわたってとらえられるため、今まではわからなかった血糖変動がよくわかり、より良い血糖コントロールにつながります。
1型糖尿病の専門外来を設けて連続グルコースモニタリング(CGM)、CSII療法(インスリンポンプ治療)やSAP(Sensor Augmented Pump)療法にも対応しております。更に当院は総合周産期母子医療センターを有しており、妊娠に関連した糖尿病の方の診療経験も豊富です。
 

内分泌疾患や電解質異常

当科では糖尿病以外にもバセドウ病や橋本病をはじめとした甲状腺疾患や副腎疾患、下垂体疾患、副甲状腺疾患などの内分泌疾患や電解質異常にも対応しております。近年二次性高血圧として頻度が高いことがわかってきた原発性アルドステロン症の診断・精査・治療 (放射線科での副腎静脈サンプリングも可能です)、各種内分泌負荷試験を行っており、病態によって適切な対応を心がけております。

肥満症外来開設

2025年より肥満症外来を開設しました。対象となるのは、
高血圧、脂質異常症、または2型糖尿病のいずれか1つ以上の診断がなされ、

 1.BMIが35 kg/m2以上の方、

または

 2.BMIが27 kg/m2以上で肥満に関連する健康障害を2つ以上有している方です。

当外来では単に体重を減らすだけでなく、肥満に起因する健康問題の改善を目指します。治療は生活習慣の見直しを基本とし、適応となる方には必要に応じて薬物療法を組み合わせます。開設時点では再診外来の曜日に制限がございますが、ご紹介いただけましたら幸いです。
病院と診療所との機能分担を図るため、病状が改善するなど目的が達成できれば、地域の開業医の先生方の診療を受けられるよう勧めています。どうぞよろしくお願いいたします。

実績

糖尿病 入院者数
年度 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
糖尿病 135 115 124 73 106 87 114
うち1型糖尿病患者数 15 13 17 9 3 6 16

糖尿病をもつ方は、外来で約2600名にのぼります。上表のように毎年100名前後の患者さんに教育、または血糖マネジメントや合併症管理の目的で入院加療していただいています。

医師紹介

  • 糖尿病・内分泌内科部長
  • 田中 亨
  • 卒業年昭和62年
  • 認定医・専門等資格名日本内科学会総合内科専門医、認定内科医、指導医、内科学会近畿支部評議員 日本糖尿病学会研修指導医、専門医、学術評議員 日本糖尿病協会療養指導医 日本静脈経腸栄養学会TNT研修会修了 京都府立医科大学臨床教授 京都糖尿病医会理事、京都腎臓医会理事

糖尿病合併症の発症進展防止には血糖管理が不可欠であり、そのために必要な経口血糖降下薬や注射製剤の扱いを熟知しています。腎臓内科、眼科、脳卒中センターや循環器内科、心臓血管外科、歯科などと協力して合併症治療に力を入れるとともに、救命救急センターと連携して糖尿病昏睡や低血糖症などの緊急症にも対応しています。1型糖尿病、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠の診療にも積極的に取組んでいます。

  • 副部長
  • 岩瀬 広哉
  • 卒業年平成16年
  • 認定医・専門等資格名日本内科学会総合内科専門医・認定内科医、指導医 日本糖尿病学会専門医、研修指導医、 日本病態栄養学会病態栄養専門医、専門医研修指導医 日本内科学会指導医 日本静脈経腸栄養学会認定医 日本病態栄養学会病態栄養専門医NSTコーディネーター 日本静脈経腸栄養学会TNT研修会修了、京都府立医科大学臨床講師
  • 医長
  • 畑 真之介
  • 卒業年平成26年
  • 認定医・専門等資格名日本内科学会総合内科専門医・認定内科医 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医 日本糖尿病学会専門医
  • 専攻医
  • 原田 侑季
  • 卒業年令和2年
  • 専攻医
  • 田中 秋人
田中秋人
  • 卒業年令和4年
  • 専攻医
  • 横江 賢一郎
横江賢一郎
  • 卒業年令和5年

診察担当医表

診察担当医表
一診(新患) 田中秋 原田 原田 (1・3・5週) 田中秋 (2・4週)
二診 岩瀬 田中 田中 田中 岩瀬