循環器内科は24時間365日利用可能な循環器ホットラインを設置しております(電話番号は地域医療連携課(直通tel:075-533-1280)までお問い合わせ願います)。急性心筋梗塞、急性非代償性心不全などの循環器救急疾患は、ホットライン経由でご連絡いただければ、循環器内科医が対応いたします。判断に迷う場合もご一報いただけますと幸いです。当院では心原性ショックを呈する重症例や併存疾患による複雑な病態に対応すべく心肺補助装置の活用や他科専門医との協働診療を積極的に実施しております。
慢性冠動脈疾患は、動脈硬化危険因子の至適内科治療(OMT)を基本とし、心筋虚血が証明された責任冠動脈を標的にカテーテル治療(PCI)を行うことが標準治療となっています。以前は多くの患者さんに入院を要する侵襲的検査(冠動脈造影+圧センサー付きワイヤーによるFFR測定*)が必要でしたが、高性能の冠動脈CT検査に加え、令和3年よりCTで心筋虚血を評価できるシステム(FFRct解析)を導入し、外来で治療前の解剖学的評価と機能的評価を一度のCT検査で行うことができるようになりました。患者さんのメリットが大きく、是非ご活用ください。
*FFR測定:狭窄部の遠位部に圧センサーを留置し、薬物的に血管抵抗を低下させ最大冠血流の状態で大動脈との圧格差から虚血を評価する方法。大動脈圧で除した比が0.80未満で治療の対象となります。
急性下肢動脈閉塞や重症虚血肢は緊急性が高く、救肢のためには初期の血行再建に加え、包括的な後療法が必要であり、専門的な管理が不可欠です。ぜひホットラインをご利用ください。火曜日午後には重症虚血肢外来を開設しています。
人口の高齢化に伴い頻脈性・徐脈性不整脈が増えております。薬物療法・侵襲的治療(アブレーションやペースメーカーの植込み)の要否の判断は、多くの場合で専門医の診察が必要となります。当院の不整脈専門医の外来をご利用ください。
当院ではこの20年間循環器内科で睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療を行ってきました。高血圧、心房細動、心不全などの循環器疾患や生活習慣病との深いかかわりがあるためです。木曜日午前にSAS専門外来を開設しています。長年の豊富な経験に基づき、診断・治療導入のみならず、併存疾患を含めた包括的な管理を行い、安定されたのちに紹介医のもとで治療を継続していただいています。
最後に、循環器内科が主催する病診・病病連携の会「東山循環器医療連携懇話会」を年に2回開催しています。ご紹介いただいた症例の報告とエキスパート医師の講演を軸とした構成となっており、顔の見える関係を深めることに重点を置いております。ぜひご参加いただき、情報交換や意見交換を通じて、よりよい医療提供に向けて共に取り組んでまいりましょう。
主な診療実績(令和5年) | 数 |
---|---|
循環器内科入院患者数 | 1086 |
心臓カテーテル検査 | 445 |
経皮的冠動脈形成術(カテーテル治療) | 303 |
末梢血管拡張術 | 210 |
カテーテルアブレーション | 72 |
植込み型心臓電気デバイス | 37 |
経静脈ペースメーカー移植術(新規) | 23 |
リードレスペースメーカー移植術 | 7 |
両室ペースメーカー移植術 | 5 |
植込み型除細動器移植術 | 2 |
大動脈バルーンパンピング (IABP) | 33 |
体外式膜型人工肺(ECMO) | 22 |
補助循環用ポンプカテーテル (Impella) | 12 |
心エコー図検査 | 6612 |
経食道心エコー図検査 | 79 |
血管エコー | 1979 |
心臓核医学検査 | 252 |
Treadmill/Ergometer運動負荷心電図 | 24 |
ホルター心電図検査 | 959 |
心臓CT | 495 |
FFRCT解析 | 48 |
大血管CT | 1214 |
心臓リハビリテーション(新患) | 487 |
心臓リハビリテーション(延べ件数) | 6847 |
ポリソムノグラフィ | 52 |
平成5年京都府立医科大学医学部卒業し、同大学第二内科学教室に入局。2年間研修後、松下記念病院循環器科、京都府立医科大学第二内科修練医、京都府立与謝の海病院循環器科、京都第二赤十字病院循環器科を経て、平成16年6月14日より当院勤務。これまで主に狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患に対するカテーテル治療、気道閉塞や心不全などが原因で起こる睡眠時無呼吸症の治療、及びそれらの臨床研究に従事。瞬時の的確な判断と粘り強さをモットーにしています。一緒に病気と闘っていきましょう。
平成14年に京都府立医科大学を卒業し、平成26年より当院に勤務しています。虚血性心疾患、心不全を中心に診療しております。近年、心アミロイドーシスが注目されており、左室収縮能が保たれた心不全の1割をしめると報告があります。京都では大学病院についで、治療薬であるタファミジス導入認定施設・医師となっていますので、皆様の治療のお力になれれば幸いです。各診療科ならびに地域の先生方と連携を図りながら、それぞれの患者さんにとって適切な医療を提供できるように心がけています。
循環器疾患全般を診療しておりますが、なかでも虚血性心疾患を専門としております。 それぞれの患者さんに合った検査・治療を選択し、安心で安全な医療に尽力したいと考えております。お気軽にご紹介いただければ幸いです。
一般的な循環器病に加え、心臓や足の血管に対するカテーテル血管内治療を専門としています。特に足の動脈の治療や、治りにくいキズの治療に関しては多数の経験を有していますので、お気軽にご相談ください。
不整脈に対する治療を専門にしております。不整脈の治療を行うことで自覚症状だけでなく、心不全を改善、予防できるように積極的に診療しています。カテーテル治療、ペースメーカーなどのデバイス植込み、薬物治療を組み合わせ最適な医療を提供できるように心掛けています。
弁膜症や虚血性心疾患、心不全など心臓病に対して、内服治療やカテーテル治療など様々な選択肢があります。これまでの経験を活かしてそれぞれの患者様にあった治療を提供できるよう心がけています。
循環器内科が担当する疾患は心筋梗塞などの迅速な対応が求められる疾患や生活習慣病などの慢性疾患が挙げられます。患者さんの病状などを考慮し、適切なカテーテル治療や薬物治療、もしくは必要時には心臓血管外科とも連携し、患者さんにとって良い結果となるような治療をご提案出来ればと思います。
循環器内科で19年間勤務した経験を生かして、病院中の多職種と協力して行うチーム医療としての包括的心大血管疾患リハビリテーションを更に発展させるとともに、コメディカルや後進の教育を介して当院の医療の質の向上のために横断的な寄与ができればと思っています。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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一診 | 庄司 | 加藤(午後 重症虚血肢) | 沢田 | 加藤 | 安土 |
二診 | 中川 | 兵庫 | 浅野 | 兵庫(睡眠時無呼吸) | 中川 |
三診 | 木下 | 小島(不整脈) | 木下 | 堀 | 小島 |
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昭和61年京都府立医科大学卒業後、同大学第二内科学教室に入局。松下記念病院、綾部市立病院、京都第一赤十字病院、京都府立医科大学救急医療部、同大学循環器内科診療科長などを経て、平成25年京都第一赤十字病院 循環器内科副部長。平成26年度より部長、平成28年度より心臓センター長を兼務。令和2年4月より副院長。
循環器内科が担当する領域は、虚血性心疾患、不整脈、心臓弁膜症、心膜・心筋疾患、血圧異常、心不全、血管疾患(大動脈瘤・肺塞栓・下肢閉塞性動脈硬化症など)など多岐にわたります。年齢とともに心血管系疾患の有病率は上昇しますが、最近では複数の心血管病を合併したり、癌治療・整形外科疾患・慢性腎臓病等で治療方針の優先順位に悩むことも少なくありません。各領域の専門医とともに最高レベルの医療を迅速に提供することで、医療を通じた社会貢献を実現したいと思います。