脳神経・脳卒中科は、「脳神経内科疾患」と「急性期脳梗塞を中心とした脳卒中疾患」の診療を専門にしています。当科の特徴は、三次救命救急センターの一員として脳神経救急疾患(脳梗塞、てんかん・脳症、神経感染症など)の診療を院内外の多職種チーム医療のもとで実践していることです。当科スタッフは皆、臨床脳神経学をベースにした上で、内科学、救急医学、脳卒中学、脳神経血管内治療学、脳神経超音波学、栄養学、リハビリテーション医学、血液凝固学など、多分野の知識と技能を常に取り入れることを心がけて日常診療に従事しております。特に3つのコード(Code Blue: 院内急変への対応、Code Stroke: 急性期脳卒中患者さんへの迅速な対応、Code Neurology: 神経疾患の診断/治療/ケアの方針についてのスタッフ間での綿密な検討)にはできるだけスタッフ全員で取り組むよう、心がけています。
脳神経救急疾患に罹患された患者さんは京都府全域から常時受け入れており、特に急性脳梗塞の再開通治療(tPA静注療法とカテーテル手術)に積極的に取り組んでいます。
その一方で、脳神経内科医療の地域中核病院として、近隣にお住まいの患者さんや他科入院中の患者さんの一般脳神経内科疾患の診療にも従事しています。
「脳神経救急診療と一般脳神経内科診療の両立」こそが、患者さん・実地医家の先生方から求められている当科の役割と考えています。
当院における脳神経内科領域でのチーム医療に関して、ソフト面としては、当科スタッフは古野優一副部長を中心とした脳神経外科医師、竹上徹郎部長・安 炳文部長・堀口真仁部長を中心とした救急科医師、リハビリテーション科スタッフ、その他の科の医師、研修医と密な連携体制を構築しています。具体的に述べますと、重篤な脳神経救急疾患では、各ICU常勤の麻酔科医や救急医による呼吸循環管理上のサポート体制があります。脳梗塞では、脳神経外科医による直達手術が受けられ、循環器内科医による循環管理と塞栓源精査に関する全面的な協力が得られます。神経免疫疾患では、腎センター医師による血液浄化療法(各ICUベッドサイドで可能)、脳炎・髄膜炎といった神経感染症では、感染制御部からの協力が得られます。膠原病関連脳神経疾患では、リウマチ・膠原病センター医師からの助言が受けられます。また、当科医師と、看護師や放射線技師、臨床検査技師、栄養士、メディカルソーシャルワーカー、そのほかのコメディカルの強固な院内連携体制も確立されています。このように、各科の垣根が低く、医療への情熱で溢れるメディカルスタッフの全面的な協力が得られる当院の環境は、全身疾患である脳神経疾患を診療する上で理想的なものであるといえます。
一方、ハード面としては、2012年のC棟完成後、救急室経由の重症例が入室する救命集中治療室(ICU)と、術後の重症例などが入室する院内ICUが併設され、救命救急センターをあわせて脳神経救急疾患の搬送や転院の受け入れ体制が強化されています。2019年4月からは新規の血管造影機器(Philps社 Azurion7 B20/15)を導入し、手術成績のさらなる向上を目指しています。
脳神経救急を含めた脳神経内科診療には、チーム医療の実践が不可欠であり、当科でも現状に甘んじることなく、今後も更なる院内連携の強化に取り組んでいくつもりです。
当科では「脳卒中・神経救急ホットライン」により、24時間365日いつでも神経救急疾患が疑われる患者さんの受入れを行っています。具体的には、
のいずれかがみられる急性期患者さんがおられたら、いつでも当科の「脳卒中・神経救急ホットライン」にご連絡ください。
(医師と救急隊の専用回線となります。番号は地域医療連携課(直通tel:075-533-1280)にご確認ください)。
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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延べ | 8,264 | 8,157 | 8,748 |
新規 | 448 | 451 | 429 |
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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脳血管障害 | 356 | 355 | 366 |
神経感染症・急性脳症 | 26 | 42 | 36 |
てんかん | 50 | 55 | 70 |
免疫関連性中枢神経疾患 | 3 | 2 | 10 |
末梢神経疾患 | 12 | 6 | 18 |
筋疾患 | 0 | 1 | 0 |
神経変性疾患 | 23 | 19 | 21 |
脊髄疾患 | 2 | 3 | 1 |
中毒性神経疾患 | 0 | 1 | 0 |
その他 | 77 | 76 | 85 |
入院総数 | 549 | 560 | 607 |
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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tPA静注療法 | 21 | 29 | 30 |
Door to Needle (中央値,分) | 65 | 70 | 61 |
緊急血管内血行再建術 | 101 | 55 | 82 |
Door to Puncture (中央値,分) | 73 | 70 | 61 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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一診 | 山田(病診) | 山田(再診) | 濱中(病診) | 長谷川 (病診・頭痛病診) | 今井(病診) |
二診 | 今井(再診) | AM 今井 (病診・脳卒中病診) PM 長 (再診) | 加藤(再診) | 田中(病診) | 長(再診) |
三診 | 加藤(再診) | 沼(病診) | 小林(再診) | 沼(病診) | 夏原(再診) |
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